ESSENCE of REAL 2000'
2000.8.27〜9.10 玄豆屋2階 cafe de nui にて展示
ごあいさつ
Essence of Realにアクセスいただきありがとうございます。簡単に紹介します。グループ展「Essence of Real」は今回で3回目を迎えることができました。回を重ねる毎に出品者も増え、今回は14名の参加者により構成されます。14名の参加者ゆえ、ジャンルを一とせず各々が自由に表現を楽しんでいます。どんな展覧会かと具体的にきかれると返事に大変困ってしまうのがこの展覧会の特徴といえます。共通していえるのは福島県内に住み教育を志し美について考えるもののグループだということでしょうか。線の作家、触の作家、面の作家などいろいろですが他ジャンルの作品を同時陳列してアンバランスのバランスを探るこの体験はよそではあまりできないことであると考えます。絵画あり、書あり版画ありの話題に事欠かない展覧会です。また、ディスプレイにも一考を案じています。会場のすべての空間を肌で感じていただきたいものです。感性に訴える物を創りたい。その願いの結晶が今ここにあります。ご来場をお待ち申し上げます。
ある人曰く、美は純粋である。またある人曰く、醜さもまた美である。中国古代の思想家老子はこう説いた。「二律背反」この世に天と地があるように全ての物事には相反する力がはたらいている、と。それは潤渇、白黒、上下、左右、濃淡、強弱、遅速、陰陽などである。様々な二律背反があるから、そこに芸術が生まれるのだと僕は思う。ここにいる、僕を除く13人の作家はこの思想を意識しているのか、はわからない。でも、一ついえることはここにはシンメトリックなものは何もない。イギリスの詩人キーツはこう説いた。「Heard
melodies are sweet:But those un heard are sweeter」
「耳に聞こえたメロディは美しい。しかし聞こえないメロディはもっと美しい。」
ふと気がついた。作品もこの文章も僕にしてはちょっとセンチメンタルになりすぎたようだ。
(文・佐藤 淳)