Opus One を飲む理由


 今でも、新大陸のワインをバカにしている私です。フランスのまねの輸出向けで今売るための味付けなら、料理との相性など無縁でしょう。その土地の葡萄、その土地の文化でワインを造れば、新大陸でも興味深いワインが出来ることでしょう。そんなワインもオーストラリアやチリには、有るらしいのですが、私の飲んだチリの リオハ グラン レゼルバでは色つやが違うぐらいしか感じませんでした。ですから、86年頃、日本酒にはまっていた友人が、「USAから送られたワインが、税関で止められ、あまりの関税の高さに引き取りを渋ったら、なんとか安ワイン扱いで通してて貰った」と言って来たときは、私にも何の事やらわかりませんでした。そのカホーニアの値が高いワインが84年オーパス ワンの6本です。
 料理とワインを合わせて楽しむのが、彼の知り合いでも、私ぐらいなので、我が家に持ち込んだり、レストランに持ち込んだり、飲み頃も関係なく、87年から兎に角、毎年1本づつ開けました。なんと90年12月23日東京の調布の「スリジェ」にて、当たりがきたのです。一生に一度か二度と言うあの当たりです。
 薫りがスイングしたのです、薫りが揺れる体験はわたしは二度目、彼は初めての感覚でした。付き合わせた女性たちは、二人が騒ぎ出したのが何のことかわからない様子でしたが、騒ぎにシェフも加わり、使っていた大振りのボルドータイプのグラスの二まわりも大きな、小さな金魚鉢みたいなワイングラスを二客だし、それでやっと薫りのスイングどれほどのファンタスチックな事か分かりました。この金魚鉢グラスは、シェフがフランスで六客求め、送らせたところ、破損せずに届いたのが、此の二客と言う。壊れず届いたのが不思議なくらい大きいグラスなのです。この薫りがスイングした日以外、後にも先にも使ったことがありません。大きなグラスでワインを揺らすのではありません。グラスが大きいと薫りが大きく豊かになってしまうらしいのです。前にも立って飲むと薫りがわかりやすいことは、書きましたが、グラスも大きいと薫りが豊かになるのです。84年のワインが、90年暮れの空気に触れて揺れた薫りと味わいは・・・。
 ざんねんなことに、当然なことともいえますが、残った二本は、私は飲んでおりません。
 残り二本の悔しさからか、初めての海外旅行と言う方に頼み込んで、89年オーパス ワンを6本手に入れました。ロス地震のため半額セールと言う初海外の方とは、思えぬ買い物でした。かなり知られるようになり、向こうでも高値で、「通常なら、送り賃代分、国内で手に入れた方が割安」と言われたらしいです。Opus One は、何としてもー揺れるワインーなのです。
 89年オーパス ワンは2000年に最後の一本といきたかったのですが、一本がコルクか地震のせいか、少し濁っていたので、99年暮れが、最後の一本です。98年は澱もあり、(スイングした物は澱はかすか)かなり、豊かな味わいが得られた。今年の暮れが楽しみです。98年の客の一人は、よほどーパス ワンを気に入ったらしく、私が見ていない隙に二、三センチ残った澱を飲み、むせっていました。他の客の感想は、掲示板にもあります。

「佳いワインが分かるためには佳いワインを体験すること」(ウソ八百格玄集)
そのためには、 cafe de nui へ お越し下さい

オーパス ワン  瓶 ボルドータイプのいかり肩                 
ラベル 中央やや右下に  Opus One   のロゴ         
    中央やや左上に  1989    の年号
    上方に   ルービンの盃を思わせるおじさん二人の顔のぺん画
    下方に          おじさん二人のサイン  ロバート・モンダビ  バロン・フィリップ
カーホーニアのナパ谷のモンダビさんの葡萄で、ロートシルトさんがボルドーの魔法で造ったワイン バロン・フィリップ、正しくはバロン・フィリップ・ロートシルト(ロートシルトはロスチャイルド、ロッチルドとも読める。)

写真は、98年暮れに一緒に飲まれたワインとオーパス ワンです。
マジ・シャンベルタン 88 (通称マジシャンちょうど飲み頃。後二、三本は今年中に飲むつもり。)
    
シャトウ・ビシュヴィル86

(最近とみに評価が上がってきた。86はボルドー特別の当たり年、かなり持ちそうだが、試験的に開けてみた。ちょっと前までは、ラベルの帆船とワイン祭りの町の方が有名だった。)
   
carruadesu 89

(かの有名なラフィット・ロートシルトのセカンドワインらしい、読み方も分からない。おいしかったがまだ、早すぎたと思う。ラベルがラフィットらしい絵で、ぼかし方もすごい。遠目には、本物のラフィット・ロートシルトみたいだ。ちなみにラフィットは、まだ飲んでいない。)

*carruadesu 89 は開けたことは、酒屋さんに内緒なのです。 一本しか手に入れてないので、飲み頃まで待てと言われていた。



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